2008年4月11日金曜日

モヤシ値上げ 庶民の味方もついに 原油・原料高で

長年、安値安定が続き「庶民の味方」と親しまれてきたモヤシがついに値上げされた。道内の主要生産者は四月から順次、卸売価格の引き上げに入り、一部小売店では店頭価格が一袋(二百グラム入り)十円ほど上昇した。これまでほかの食品が高騰した時にも存在感を示してきたが、今回は原油・原料高の荒波にのみ込まれた形だ。
 「原料となる緑豆の購入費も、室内栽培に必要な燃料費も数年前の二倍以上。自助努力の限界を超えた」。モヤシ生産道内大手のミキ食品(札幌)の担当者はこう嘆いた。
 同社は一九八二年以来、二十六年ぶりの値上げを決断。四月に入り、了解が得られた小売店から順次、卸売価格を15%ほど引き上げている。同様に、ヒナタフーズ(空知管内由仁町)やオシキリ食品(江別)も、それぞれ四月から二割前後、卸価格を引き上げた。
 店頭価格への転嫁も広がっている。マックスバリュ北海道は今月から一袋二十八円を三十八円に改定、価格を据え置くコープさっぽろなどに並んだ。目玉商品として低価格で販売するアークスも今月から「ビッグハウス」で同十円を十九円に上げた。
 モヤシは主に室内栽培され、これまでほかの野菜が天候不順で高騰しても低価格を維持できた。だが、原油高騰下では逆に弱点に。室温や水温を一定に保つのに、大量の重油を使うためだ。
 さらに、種となる原料豆の約九割を中国産に依存しているが、中国ではバイオ燃料の原料となるトウモロコシの作付けが増加した一方で、緑豆の作付けが減り、輸入価格は大幅に上昇しているという。
 小麦粉や牛乳、しょうゆ、バターなど身近な食材が相次いで値上げされる中、札幌市内のスーパーで値上げされた商品を手にした主婦(48)は「モヤシまでも値上げとは…。買う量が減ります」と残念そうに語った。
 一日約二十五キロのモヤシを使うというある札幌市内のラーメン店では、年間で十万円近い負担増になる計算。「三月にラーメンを値上げしたばかりで、追加値上げは厳しい」と苦悩の表情を浮かべた。

(北海道新聞より引用)

0 件のコメント: