2008年3月1日土曜日

藤田嗣治の幻の大作4点“帰国”

エコール・ド・パリ(パリ派)を代表する世界的な画家藤田嗣治(つぐはる)(一八八六-一九六八年)が描いた「幻の大作」四点が、フランスから日本に到着。二十九日、東京・江東区の美術品保管倉庫で姿を現した。
 「ライオンのいる構図」「犬のいる構図」の連作、「争闘1」「争闘2」の連作の計四点で、いずれも縦横三メートルの大作。「構図」の連作には人物群像と動物、「争闘」の連作には争う人々の姿が油彩で描かれている。
 いずれも一九二八年(昭和三年)に制作され、そろってパリで公開された後、「構図」の連作は二九年に日本でも公開。四点ともその後、行方が分からなくなっていたが、九二年にフランスで発見された。
 この日、梱包(こんぽう)を解かれて姿を現した作品は、いずれも藤田独特の乳白色の地肌に多くの人物が描かれた迫力のある大作で、関係者を感心させていた。
 これら四点は、七月十二日から九月四日まで札幌・道立近代美術館で開かれる「レオナール・フジタ展」(北海道新聞社など主催)で展示される。「争闘」の連作二点は日本初公開。
 四点の同時公開も日本ではこれが初めてとなり、美術ファンの関心を集めそうだ。

(北海道新聞より引用)

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