2008年3月26日水曜日

札幌駅前通の地下通路、接続ビルまだ10棟 補助なく所有者負担大

札幌市が二〇一〇年度の完成を目指して工事を進めている「札幌駅前通地下歩行空間(地下通路)」で、沿道のビル二十九棟のうち完成時から接続するビルは十棟にとどまることが二十四日、分かった。ビルの建て替え時に接続を予定しているビルは他に十七棟あるが、地下通路の供用開始時のにぎわいづくりがあらためて課題となりそうだ。
 地下通路はJR札幌駅と大通公園を結ぶ、全長六百八十メートル、幅二十メートル。市と札幌開建が総事業費約二百五十二億円かけて整備を進めている。完成すればJR札幌駅から大通公園を経由、すすきのまでが地下でつながることになる。
 ただ、ポールタウンのような商店街にすると国の補助が出ないため、市は地下通路とした経緯がある。このため、閑散としたさみしい通路となるのではと、計画当初から課題となっている。
 市が〇六年に調査した際は、完成時からの接続は十二棟を予定していた。しかし、その後に一棟が接続工事の延期を決め、二棟だったビルが一棟に集約されることになり、完成時の接続は十棟にとどまった。
 接続ビルが増えない背景には、接続工事に対する市の補助などがなく、ビル所有者側の負担が大きいなどの事情がある。ビルの多くが札幌五輪の七二年ごろに建てられ、老朽化して地下接続が難しいケースや地下に機械室などがある場合もある。
 しかし、十棟のうち五棟は四メートル前後の「通路」ではなく、ビルの間口いっぱいに接続する「広幅員接続」となる予定。このため、市は飲食店などの店舗が地下通路に面し、にぎわいづくりの一助となると考えている。
 さらに、市は地下通路の両側から四メートルずつには「憩いの空間」を設けることにしており、観光案内や市民の情報交換の場、オープンカフェなどの設置を検討している。


(北海道新聞より引用)

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